ところでドイツといえば機能一途でストイックなデザインがまっさきに浮かぶが、「フレンズ・フォーエバー」はそうした機能もさることながら、表現力とコンセプトが魅力だ。どの製品にも表情豊かな顔がある。グラフィックで描いたものではなく、型抜き
しているので強烈なコントラストで迫る。表情の型抜きはまた、すべり止めや調理に必要な機能を併せ持っている。紺と黄色のパッケージも鮮烈だ。ステンレスの顔にマッチする悪戯書きのようなグラフィックがツール本体のデザインとマッチしてい
る。捨てるのが惜しく、食器棚やリビングルームに飾らずにはいられない。
コンセプトは「友だちに笑顔のプレゼント」である。大切な友達への贈り物として最適であること。そして、毎日の生活を快適に過ごすための、よき友達となる生活ツー
ルであることだ。まさにユーザーフレンドリーデザインを地で行く商品といえる。ユーザーフレンドリーの直訳は「使い勝手のよさ」だが、さらに友だちのように身近に合える意味も含む。よい友だちの条件はいろいろあるが、なんといっても一緒にいて
「楽しい」ことが長く付き合うポイントではないだろうか。
製品ラインナップはテーブルトップ、ダイニング、リビングの3つのカテゴリーでおよそ100にわたる。
生活シーンをより楽しくするために、単体ではなく、ついセットで揃えたくなってしまう。そんな購買意欲を誘うところにもデザイナーの茶目っ気がうかがえる。