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2.ユニバーサルデザインの事例と動向
 
#48 湘南藤沢の新たな公共交通システム
 
− 快適で安全なバス輸送をめざして −
 
曽川 大/ユニバーサルデザイン・コンソーシアム研究員
 
2連節バス「ツインライナー」
導入の背景
バスシステムとITSの融合
2連節バス「ツインライナー」
 
 今、湘南藤沢でカラフルなピーチピンク色の2連節バスが注目を浴びている。平成17年3月にデビューした神奈川中央交通の「ツインライナー」だ。湘南台駅西口〜慶應大学間4.2kmを走行する急行バスで、全長は電車1両とほぼ同じ18メートル。定員は129名で、通常バスの約2倍の輸送力をもつ。ブラジル、クリチバ市の3連節バスを思わせる車両は、ドイツのネオプラン社製。交通バリアフリー法など、日本の基準に合わせて仕様を改良したもの。連節バスの運行は幕張や旭川に続き3例目だが、ノンステップの連節バスは国内では初めてという。
 
国内初の交通バリアフリー法に対応した2連節バス   ノンステップの床は全長15メートルある。
 
【写真左:国内初の交通バリアフリー法に対応した2連節バス、写真右:ノンステップの床は全長15メートルある。】
 
乗降時に車体がニーリングする。※エアサスペンションの空気を抜き車体を傾かせること。   乗降口はもちろんノンステップ。間口も広い。
 
【写真左:乗降時に車体がニーリングする。※エアサスペンションの空気を抜き車体を傾かせること。、写真右:乗降口はもちろんノンステップ。間口も広い。】
 
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導入の背景
 
 導入の背景には深刻な交通事情があった。湘南台駅は平成11年の横浜市営地下鉄の延長以来、利用者数が平成10年の5万人から平成14年には10万人へと倍増。朝8時のピーク時には、バス停に並ぶ人が250人を超え、180人あまりが乗り遅れる状況だった。一方で地域住民は不便な路線バスよりも自家用車を利用。交通渋滞が深刻化し、駅前のバスロータリーにバスが入れない状況が頻繁した。
 
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バスシステムとITSの融合
 
 そこで神奈川中央交通は藤沢市との連携で新たなシステムを構築し、電車により近い定時運行・中量輸送を実現した。基幹バスであるツインライナーとフィーダー(支線)バス「ふじみ号」のネットワークにITS(高度道路交通システム)を加えた公共交通システムである。ツインライナーは、一時的に大量の需要が発生する区間を担当。一方、小型のふじみ号は、慶應大学を始点とする地域の循環輸送を担う。
 ITSの中心となるのは、ツインライナーに採用されているPTPS(Public Transportation Priority Systems)。公共車両を優先して走行させるシステムだ。交差点付近に設置された光ビーコンとバス内の赤外線システムの双方向通信により、バスの通過に合わせて青信号の延長を行う仕組み。一つの交差点を単独で青信号に切り替える地点感応制御や、バスの出発時刻と到着時間を所定の時刻に合わせられるよう、信号の調整を行う最適到着時間制御などさまざまなタイプの制御方法を活用している。一方のふじみ号には、GPS車載器およびナビゲーションシステムを搭載。慶應大学で乗り継ぐバスの発車時刻をモニターで車内表示し、バスの位置情報をリアルタイムで提供している。
 神奈川中央交通の新たな公共交通システムはバスの利便性を向上したばかりか、一般車両も含めた交通渋滞の緩和も果たした。身近で快適な中量輸送手段の好事例である。
 
色彩とコントラストで視認性に優れたボタン   車椅子対応が4席。折りたたみ式で車椅子用の空間を確保できる。
 
【写真左:色彩とコントラストで視認性に優れたボタン、写真右:車椅子対応が4席。折りたたみ式で車椅子用の空間を確保できる。】
 
大きな窓とカラフルなインテリアで明るく快適な車内   連節部の室内床面はターンテーブルで接合。坂道走行時も床の段差がほとんど生じないように設計されている。
 
【写真左:大きな窓とカラフルなインテリアで明るく快適な車内、写真右:連節部の室内床面はターンテーブルで接合。坂道走行時も床の段差がほとんど生じないように設計されている。】
 
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