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ユニバーサルデザインとは?
 
2.ユニバーサルデザインの事例と動向
 
#19 プロダクトのユニバーサルデザイン-2
 
 『ユニバーサルデザイン』誌では08号、09号の2回連続でプロダクトデザインに焦点を当てた特集を組みました。第1回ではマクロ経済的に、第2回では市場に出回るUD製品そのものにフォーカスを当て、"鳥の目"と"虫の目"でUDプロダクトの今を精力的に取材。今回はその中で、家電製品のUDを紹介します。
福祉ショップで売られていたスプーンがデパートのUDコーナーに
日々の生活を支える道具として
五感をフルに活用したインターフェイス
使い勝手の良さが購入のポイント
UDプロダクト事例
福祉ショップで売られていたスプーンがデパートのUDコーナーに
 
 いくつかの大手デパートやスーパーの店舗には、ユニバーサルデザイン・コーナーが設けられている。そこにはさまざまな生活用品が並べられているが、企業のユニバーサルデザインへの取り組み姿勢は千差万別だ。
 中には限られた対象者をターゲットとしているのに、ユニバーサルデザイン商品として高く評価される製品を送り出している企業もある。(株)青芳製作所もその1つだ。病院や施設向けに同社が開発したスプーンは軽くて、もちやすいことで、ユニバーサルデザイン製品とみなされている。
 「障害のある人に向けてのデザインが、結果的に障害のない人にも使いやすいというおまけがついてきた」と秋元幸平常務取締役は苦笑する。
これは専用品の一般製品化の一例である。究極の使いやすさを追求したことで、障害のない人にまでユーザーは広がった。
 「いままで福祉ショップでしか販売されていなかったので、本当に欲しい人の手に渡っていたか不安があった。しかしデパートで、多くの人の目に触れる機会が広がり、本当に喜んでいる」
 結果としてのユニバーサルデザインが、販路拡大につながったわけだ。
 
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日々の生活を支える道具として
 
 すべてのユーザーにとって違和感なく使えることで「見えないデザイン」とも呼ばれるユニバーサルデザイン。冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジ、掃除機といった生活に密着した家電製品にこそ、こうした性質が求められる。
 機能や形状といったさまざまな要素がかかわるなか、インターフェイスの良し悪しこそが使い勝手を大きく左右する。そこで企業の垣根を超えた製品間のインターフェイスの共通化や標準化が重要になる。
 ユニバーサルデザインを追求するうえで、家電メーカーは標準化とシリーズ化の2つの要素を、どのように取り入れているのだろうか。
 
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五感をフルに活用したインターフェイス
 
 標準化で真っ先に頭に浮かぶのは、操作を伝達する手段であるインターフェイスである。操作パネルの文字や図記号、絵文字の大きさ、カラーコントラストや表示用語のわかりやすさといった視覚的な表示の他に、凹凸や点字で表現する触覚記号や音声による伝達手段を備えているか、操作の方法や手順を間違えずに行えるか、さらには誤操作を防止するための仕様やアラームが設けられているかといった点だ。視覚だけでなく触覚や聴覚を含めた総合的な感覚に訴えることで、使い勝手は向上する。
 視覚障害をもつ人が点字で操作できるだけでなく、晴眼者にとっても、暗い照明の中では操作パネルに凹凸があれば手がかりになるし、離れた場所でも報知音があれば作業状況がつかめて便利だ。キッチンと洗濯機の設置場所が離れていても、報知音のおかげで調理と洗濯を同時に行える。
 標準化の方向として、機能やパーツの絞り込みもあげられる。多機能化が進むとインターフェイスが複雑になるのはいうまでもない。嗜好性の強い音響製品と異なり、家電製品では、誰もが操作できるように機能を必要最小限にまとめることも大切だ。
 
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使い勝手の良さが購入のポイント
 
 一方、ユーザーにとって家電製品のユニバーサルデザインとはどのようなものか。家電製品を購入する時、「品質が良い、機能的である、デザインが優れている、価格がリーズナブルという選択条件が挙げられるが、この品質・機能の中に使い勝手がよい、簡単、我慢する範囲が少ない、安全性に配慮されているというユニバーサルデザインの重要な要素が無意識に反映されているのではないか」と、消費生活アドバイザーの立場でユニバーサルデザインに取り組むユニバーサルデザイン生活者ネットワークの大矢野由美子氏は指摘する。
 大矢野氏は、「ユニバーサルデザイン的な製品と銘打つなら、イメージや曖昧な言葉ではなく、それぞれのどの機能にユニバーサルデザインの配慮が施されているかを具体的にアピールすることが有効。冷蔵庫では、扉を楽に開閉できたり、左右への開閉が可能だったり、かがみ込む姿勢の負荷を軽減するといった身体的な配慮がいる。そのためにはカタログのイラストや図版には裏付けデータを記入して欲しいし、できることならば他社比較できるデータであって欲しい。似たような製品群を前に、それぞれが主張をきちんと情報提供してくれることが、ユニバーサルデザインの商品の普及につながる」と力を込める。
 生活者のライフステージをさりげなく支えてくれる、そのような家電製品をユーザーは望んでいる。人間生活工学やハイテクをはじめとする創意工夫への期待は大きい。
 
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UDプロダクト事例
 
全自動洗濯機 ASW-ZR700   かんたんリモコン SP-RC1
 
【写真左:「全自動洗濯機 ASW-ZR700」わかりやすい操作パネルをはじめ、洗濯・脱水中の状態が確認しやすい大型透視窓、背の低いユーザーや高齢者でも手が届く「ななめドラム」により、使い勝手や洗浄性を高めた。さらに、水を電気分解させた電解水で汚れを分解・除菌する技術を採用。話題を集めている(三洋電機)、写真右:「かんたんリモコン SP-RC1」高齢者などのユーザーが簡単かつ確実に操作できるよう、機能を絞り込んだリモコン。メリハリがきいた大きな液晶表示にくわえ、暖房や冷房機能のもつ色のイメージをボタンに反映させ直感的に運転モードを選べたり、触覚でも判読できるように凸表示を併用している(日立製作所)】
 
コードレス電気ほうき MC-B25M   電子レンジ ER-VS11
 
【写真左:「コードレス電気ほうき MC-B25M」1kgと軽量なコードレスかつコンパクトサイズ。高さ7cmの隙間に入りベッド下の掃除などで腰への負荷を軽減している。排気循環方式は衛生的で運転音が静かなため夜間にも使える。また、ダストボックスは、ゴミ捨て時期がひとめでわかる半透明タイプで着脱がしやすいスライド式でゴミ捨てが簡単(松下電器産業)、写真右:「電子レンジ ER-VS11」エンターテイメント・キッチンをキャッチフレーズにする家電シリーズ「Jelly Beans」の一製品。ワンポイントカラーがおしゃれで楽しい。シンプルなうえ、大きなタイマーセットダイヤルと見やすい文字表示で操作しやすい。1人暮らしの若者はもちろん、高齢者にとっても違和感なく愛用できる(東芝)】
 
IH調理器IC-BF1(全体)   IH調理器IC-BF1(表示・ボタン部分)
 
【写真左・右:「IH調理器IC-BF1」火を使わずプレート自体には熱を発しない機構で、ガスコンロや電器ヒーターに比べて安全性が高い。開発にあたっては、視覚障害者福祉施設や盲学校の協力を得て、操作性やインターフェイスの調査を繰り返した。シンプルでわかりやすい操作パネルには、音声ガイドがついている。96年の発売から4年以上が経過。モデルチェンジの早い家電製品の中においては、ロングライフの製品(三洋電機)】
 
ドアにドア R-D40NPAM(大きなドアを開いた状態)   ドアにドア R-D40NPAM(小さなプチドアを開いた状態)
 
【写真左・右:「ドアにドア R-D40NPAM」大型冷蔵庫の扉に小さなプチドアを設け、使用頻度が高い食品や調味料の出し入れを簡単便利にしている。プチドアのポケットには、用途に合わせた小物ケースが取り付け可能(日立製作所)】
 
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